ただ貯金しているだけでは危険?人生100年時代の資産形成で本当に知るべき3つの新常識

「老後のために貯金はしているけれど、このままで本当に十分なのだろうか?」 多くの人が、漠然とこんな不安を抱えているのではないでしょうか。

例えば、40歳の会社員が20年で1,500万円の老後資金を作るという目標を達成するには、年率2〜3%(税引後)といった、預貯金だけでは到底不可能なリターンを目指す必要があります。

現在の低金利下では、ただお金を貯めるだけでは資産はほとんど増えません。目標達成のためには、投資信託などを活用して「お金に働いてもらう」という考え方が不可欠になります。この記事では、これからの資産形成に欠かせない3つの新常識を分かりやすく解説します。

新常識1:あなたの「リスク許容度」は一生同じではない

資産形成を考える上でまず知っておきたいのが「リスク許容度」です。これは、「自分はどこまでならリスクをとることができるか」という度合いを示すものです。

多くの人が「自分は保守的なタイプ」「自分は積極的なタイプ」と固定的に考えがちですが、実はこのリスク許容度は、年齢やライフステージ、収入や負債の状況によって大きく変化する、動的なものなのです。この「変化する」という事実こそ、多くの人が見落としがちな資産形成の最初の要です。

• リスク許容度が高い例:30代の会社員 定期的な収入があり、定年までまだ時間があります。長期での運用を前提にできるため、もし一時的に損失が出たとしても、それをカバーする時間的な余裕があります。このような状態では、リスク許容度は高いと言えます。

• リスク許容度が低い例:40代後半で、住宅ローンや子供の学費負担がある世帯 定年が視野に入り始め、大きな損失は避けたい状況です。この場合、元本の安全性を重視する必要があるため、リスク許容度は低い状態と言えます。

このように、リスク許容度はあなたの置かれた状況によって変わることをまず理解しましょう。

新常識2:ゴールが近づいたら「攻め」から「守り」への切り替えが必須

このリスク許容度の変化(新常識1)は、具体的な行動の変化、すなわち資産配分の見直しを必要とします。それが第二の新常識です。

定年退職が目前に迫ったり、実際に老後生活に入ったりするタイミングは、資産形成における「大きな転換点」です。なぜなら、退職後は収入が公的年金中心となり、万が一この時期に資産が大きく減少すると、その後の生活設計に深刻な支障をきたす可能性があるからです。つまり、資産を積極的に増やしていく「資産形成期」に比べて、リスク許容度は低下するのです。

このリスク許容度の低下に合わせて必要になるのが、「資産配分の組み替え(リバランス)」という具体的なアクションです(リバランスとは、目標とする資産の割合からズレてしまった配分を、元の計画通りに修正することを指します)。それまで「攻め」を意識していた資産配分を、「守り」を重視した内容に見直す必要があります。

具体的なアクション例としては、以下のようなものが挙げられます。

• 元本保証のある預貯金の割合を引き上げる。

• 投資信託の中でも、比較的リスクの低い債券を投資対象とするものの割合を引き上げる。

新常識3:リスクを減らす「分散投資」には3つの種類がある

投資におけるリスクを低減するための有効な手法として「分散投資」があります。「一つのカゴにすべての卵を盛るな」という格言で知られていますが、この「分散」には具体的に3つの種類があることをご存知でしょうか。

• 投資対象の分散 国内株式、外国株式、債券など、値動きの異なる複数の資産に分けて投資することです。これにより、ある資産が値下がりしても、他の資産の値上がりでカバーできる可能性が生まれ、全体のリスクを低減できます。

• 通貨の分散 資産を日本円だけで持つのではなく、米ドルやユーロなど複数の通貨に分けて保有することです。これにより、特定の通貨の価値が下落する為替変動リスクを低減できます。

• 投資時期の分散 投資信託などを、毎月決まった日に決まった金額で購入し続ける方法です(ドル・コスト平均法)。価格が低い時には多く、高い時には少なく買うことになるため、高値で一気に買ってしまうリスクを避けられます。これにより、価格の上下動の波をならし、平均購入単価を安定させる効果が期待できます。

ただし、これらの方法を取ったからといって、投資収益が確実にプラスになる保証はありません。あくまでリスクを低減するための手法であるという点は、十分に理解しておきましょう。

まとめ
  • 1. リスク許容度は一生同じではない
  • 2. ゴールが近づいたら「攻め」から「守り」へ切り替える
  • 3. リスクを減らす「分散投資」には3つの種類がある

資産形成は、一度計画を立てたら終わりという静的なものではありません。あなたのライフステージの変化に合わせて、リスク許容度や資産配分を定期的に見直していく、動的なプロセスなのです。

ぜひこの機会に、ご自身の資産計画を点検してみてください。

BROWSE BY TAGS